参加登録締切
参加登録費:無料(懇親会費は徴収)
高エネルギー重イオン衝突実験は、過去数十年にわたり高温・高密度・高エネルギーQCDに関する様々な実験成果を我々にもたらしてきました。2000年にBNL-RHICによって幕を開けたクォーク・グルーオン・プラズマ状態の本格的な実験的探索は、2010年に始まったCERN-LHCでの実験により劇的に精密化し、今後もRHIC・LHCに新しい加速器での将来実験が加わることで更に発展していくことが期待されます。
その一方、重イオン衝突実験は多種多様な観測量を駆使して衝突初期状態を探索する必要があり、初学者にとっては学ぶことが多く難解です。また、実験結果の理解には流体模型、格子QCD数値解析などの様々な研究手法の併用が必要となるうえ、重イオン衝突の物理は、高密度物質探索、相転移、強結合ゲージ理論、非平衡現象、強い場などのキーワードで中性子星の物理や素粒子・物性物理学の多様な研究領域と関連しており、経験を積んだ研究者にとっても全体像を適切に把握するのは容易ではありません。
本チュートリアル研究会では、主に重イオン衝突実験になじみの薄い学生・研究者を念頭に、この実験の基礎的概念を学び全体像を把握する場とすることを目指します。特に、「よく見かけるあのグラフの縦軸・横軸はどういう物理量なのか」「その量を測定することで何が分かるのか」といった基本的な疑問から出発する講演を企画します。またそれと同時に、分野の動向を整理・議論する場を設けることで多くの研究者が現状を共有し今後の研究につなげる機会を作ります。ハドロン・QCD物理分野のみならず、様々な分野の学生・研究者の皆さんの積極的な参加を期待します。
本研究会では、参加者と講演者が意思疎通をしながら理解を深めていく場となることを目指しています。このため、参加者の皆さんには参加登録時に「知りたいこと・議論したいこと」を投稿して頂きます。
本研究会のチュートリアル講演の内容・講演者は、これらの質問を参考に、参加登録締切後に決定します。このため、参加者から寄せられる質問は研究会を有意義なものとするために極めて重要です。ぜひ、具体的な質問をどしどしお寄せ下さい。
チュートリアル講演の半数程度は世話人が講師となる予定ですが、講演テーマに応じて参加者の皆さんにも講演者になって頂く予定です。このため、参加登録後に講演を依頼させて頂くことがありますのでご了承下さい。
また、チュートリアル講演に加え、ポスターセッションを行い研究交流を促します。
講演内容や企画などの詳細は後日ホームページやメーリングリストでお知らせします。
本チュートリアル研究会は、高温・高密度 QCD 物質オープンフォーラム(High-Temperature High-Density QCD Matter Open Forum (QCDMOF))によって運営されるものですが、以下の組織・資金の協賛を得て成り立っています。若手の参加者を中心に旅費補助ができる予定ですので、希望者は参加登録時に登録下さい。ただし予算には限りがあるので、旅費の配分は世話人にご一任願います。
理化学研究所(和光地区)大河内ホール
理研内宿舎を世話人で確保してありますので、宿泊希望者は参加登録時に選択願います。ただし部屋数に限りがあります。理研内宿舎以外では、和光市駅前の東横イン、スーパーホテルなどを各自確保して下さい。
赤松幸尚(大阪大学)、板倉数記(KEK)、江尻信司(新潟大学)、江角晋一(筑波大)、大西明(京大基研)、小沢恭一郎(KEK)、北沢正清(大阪大学)、郡司卓(東大CNS)、佐甲博之(JAEA先端研)、志垣賢太(広島大学)、下村真弥 (奈良女子大)、中條達也(筑波大)、野中千穂(名古屋大学)、初田哲男(理研)、日高義将(理研)、平野哲文(上智大)、福嶋健二(東大)、藤井宏次(東大総)
世話人事務局
北沢正清(大阪大学)、郡司卓(東大CNS)