中性子捕獲反応で迫る宇宙の元素合成

Asia/Tokyo
Nobu Imai (CNS, The University of Tokyo), Nobuya Nishimura (RIKEN)
Description

注意!
2月8日(水)までに登録された方には案内メールを送っております。indico の一斉メールで、スパムに入っているケースも多いようです。ご確認ください。

 

[趣旨]

近年、理研RIBFなどでの不安定核実験が進展し、宇宙の元素合成においても重要な中性子過剰核の性質が測定が進んでいる。これまでは、主として、未知の中性子過剰核のベータ崩壊半減期や質量の測定が進められてきた。最近では、東大CNSや理研の共同研究によりSn付近の中性子過剰核に関して初めて実験的に中性子捕獲断面積を決定する研究も進んでいる。今後もより中性子過剰核に実験の範囲を広げることが検討しており、中性子過剰核での核反応の核物理的な理解が深まるとともに、rプロセスなど宇宙の元素合成の理解にも繋がることが期待できる。

本研究会では、中性子過剰核の中性子捕獲に関連する核物理と共に、宇宙での重要な応用である中性子捕獲による元素合成をテーマとする。最新の実験や関連する理論について現状を概括し、今後の方向性を議論する。原子核物理だけでなく、特に、関連する幅広い宇宙での話題も含み、今後の学際的な共同研究の可能性も模索する。

関連テーマ:

  • 中性子捕獲、原子核反応
  • 中性子過剰核の物理
  • 原子核データ
  • 元素合成・銀河の化学進化
  • 爆発的天体現象(超新星、中性子星合体)
  • コンパクト天体

[日程・場所]

 

  • 締切
    • 一般講演:2023月1月15日(日締め切りました。
    • 参加登録:2023年2月6日(月)→ 「Registration」より

[招待講演とテーマ]

  • 今井 伸明*(東京大学CNS):「代理反応法を用いた不安定核中性子捕獲反応の研究」
  • 岩本 信之(JAEA):「中性子捕獲断面積と核データ」
  • 片渕 竜也(東京工業大学):「中性子ビームを用いた中性子捕獲断面積の測定」
  • 斎藤 照之(新潟大学):「連続状態乱雑位相近似による直接中性子捕獲の方法」
  • 清水 則孝(筑波大学):「原子核殻模型計算による統計的性質」
  • 鈴木 大介(理化学研究所):「RIビームファクトリーにおける超新星爆発下の核反応研究」
  • 垂水 勇太(東京大学):「銀河化学進化から迫る中性子捕獲元素の起源」
  • 辻本 拓司(国立天文台):「太陽近傍データで迫るr過程元素の起源と進化」
  • 西村 俊二(理化学研究所):「中性子捕獲反応と元素合成:鍵を握る原子核データの収集と研究戦略」
  • 西村 信哉*(理化学研究所):「中性子捕獲が鍵となる宇宙の元素進化」
  • 平山 賀一(KEK):「KISSでの核分光実験と元素合成」
  • 湊 太志(JAEA):「様々な拘束条件下での中性子過剰核の捕獲断面積の不定性」
  • 仏坂 健太(東京大学・RESCEU):「中性子星合体におけるR過程元素合成」

* 世話人による基調講演

 

[世話人]

  • 今井 伸明(東京大学)
  • 西村 信哉(理化学研究所)

[支援]

本会は、以下の団体や研究助成から支援を受けています。

  • 東京大学理学系研究科
  • 科研費・基盤研究(B)「新しい中性子捕獲反応決定法で切り拓く元素合成過程の研究」(代表:今井 伸明)
  • 科研費・基盤研究(B)「重力波・キロノヴァ観測から迫るrプロセス元素合成メカニズムの統一的理解」(代表:西村 信哉)
Participants
  • AIICHIRO NIWA
  • Akane Sakaue
  • Akihiro Suzuki
  • Chihiro Iwamoto
  • Daiki Nishimura
  • Daisuke Suzuki
  • Futoshi Minato
  • Gen Takayama
  • Hikoya Kasari
  • Hiroari Miyatake
  • Hirohiko Shimizu
  • Hirokazu Sasaki
  • Hiroki Kawashimo
  • Hiroko Okada
  • Hiromitsu Takahashi
  • Hiroyuki Koura
  • Hisato Tanaka
  • Hitoshi Nakada
  • Jongwon Hwang
  • Katsuhisa Nishio
  • Keita Kawata
  • Kenichi Yoshida
  • Kentaro Terada
  • Kentaro Yako
  • Kohsuke Sumiyoshi
  • Kota Yanase
  • Kurumi Furutsuka
  • Masato Sato
  • Masayuki Matsuo
  • Mika Egeta
  • Momo Mukai
  • Nanae Domoto
  • Nobu Imai
  • Nobuya Nishimura
  • Nobuyuki Iwamoto
  • Noritaka Kitamura
  • Noritaka Shimizu
  • Nozomu Tominaga
  • Reiko Kojima
  • Saori Umehara
  • Shigehiro Nagataki
  • Shigeru Kubono
  • Shin'ichiro Michimasa
  • Shinya Takagi
  • Shojiro Ishio
  • Shoya Tanak
  • Shunji Nishimura
  • Shuta Tanaka
  • Shutaro Hanai
  • Susumu Shimoura
  • Tadaaki Isobe
  • Taiga Haginouchi
  • Taka Kajino
  • Takashi Torii
  • Takuji Tsujimoto
  • Tatsushi Shima
  • Tatsuya Katabuchi
  • Teruaki Enoto
  • Teruyuki Saito
  • Tomokazu Fukuda
  • Tomoya Nagai
  • Toshitaka Niwase
  • Tsunenori INAKURA
  • Yasuhiro Togano
  • Yoshihiko Kobayashi
  • Yoshihiro Aritomo
  • Yoshikazu HIRAYAMA
  • Yu Kodama
  • Yuichiro Sekiguchi
  • Yutaka Watanabe
  • Zhenyu He
  • 勝彦 佐藤
  • 岳人 早川
  • Thursday, February 9
    • Nuclear Reactions 1
      Convener: Daisuke Suzuki (RIKEN)
      • 1:00 PM
        Opening Remarks

        by Organizers

      • 1
        代理反応法を用いた不安定核中性子捕獲反応の研究
        Speaker: Nobuaki Imai
      • 2
        連続状態乱雑位相近似による直接中性子捕獲の方法
        Speaker: Teruyuki Saito
      • 3
        Oslo法と(p,2p)反応を用いた中性子過剰核の中性子捕獲反応測定計画

        r過程による重元素合成を理解するには、中性子過剰核の中性子捕獲反応断面積の測定が不可欠である。しかし現在の実験施設でこの反応の直接測定を行うことは困難であるため、その断面積データはほぼないに等しい状況である。そこで我々は中性子過剰核の中性子捕獲反応断面積を高効率で測定する間接的手法、「(p,2p)-Oslo法」の開発をすすめている。Oslo法は中性子捕獲反応で生成される核を別の反応で生成し、その励起エネルギーと脱励起ガンマ線を測定することから中性子捕獲反応断面積を決定する手法である。これまでOslo法はほぼ安定核にのみ適用されてきた。我々はその手法を(p,2p)反応と組み合わせることで不安定核に適用する。(p,2p)-Oslo法を確立することができれば、132Sn近傍核の中性子捕獲反応断面積の統計成分を高効率で決定することができる。我々は2023年秋以降にRIBFでまず安定核のビームを用いて(p,2p)-Oslo法の検証実験を行う予定である。

        本公演では(p,2p)-Oslo法を紹介し、そして2023年度以降に行う予定である安定核を用いた(p,2p)-Oslo法の検証実験及び将来の132Sn周辺核の測定計画について議論する。

        Speaker: Yasuhiro Togano (RIKEN Nishina Center)
    • 2:30 PM
      Coffee Break
    • Nuclear Reactions 2
      Convener: Nobu Imai (CNS, The University of Tokyo)
      • 4
        様々な拘束条件下での中性子過剰核の捕獲断面積の不定性
        Speaker: Futoshi Minato (JAEA)
      • 5
        RIビームファクトリーにおける超新星爆発下の核反応研究
        Speaker: Daisuke Suzuki
      • 6
        QRPA calculations for M1 transitions and the application to the neutron radiative capture cross sections

        We derive the quasiparticle random-phase approximation (QRPA) equation with a noniterative finite amplitude method, and calculate the M1 transition for deformed gadolinium isotopes. The QRPA result shows the orbital transition in a few MeV energy region where the M1 scissors mode was experimentally confirmed. Then, we apply the QRPA results to calculations of neutron capture reactions based on the statistical Hauser-Feshbach theory. Our result underestimates the experimental data even though the capture cross section is significantly enhanced by the M1 transition. Improvements in the cross section would be possible by considering uncertainties of low energy E1 transition neglected in our QRPA calculation.

        Speaker: Hirokazu Sasaki (LANL)
    • 4:15 PM
      Coffee Break
    • The r-process in Astrophysics
      Convener: Nobuya Nishimura (RIKEN)
      • 7
        中性子星合体におけるR過程元素合成
        Speaker: Kenta Hotokezaka
      • 8
        中性子星合体の可視赤外線スペクトルで探るr-process元素合成の痕跡

        2017年の連星中性子星合体からの重力波 (GW170817) とそれに付随した電磁波放射 (キロノバ) の観測により、中性子星合体でrプロセスが起こっていることが確認された。しかし、これまでに報告されたストロンチウムを除き、GW170817で実際に合成された元素の種類や量はわかっていない。
        合成された元素を特定する方法の一つは、スペクトルにおける吸収線の同定である。しかし、rプロセスで合成される重元素の分光的に正確な束縛遷移の (原子) データは十分に整備されておらず、重元素が可視・赤外線にどのような特徴を作るかは理解されてきていなかった。そこで我々は理論計算による原子データを使用し、束縛遷移の強さを系統的に計算して、中性子星合体の放出物質において吸収線を作りうる元素を調べた。次に、吸収線を作る候補となる元素の理論原子データを実験データで較正して新しい束縛遷移リストを構築し、キロノバの輻射輸送シミュレーションを行った。その結果、可視光域ではカルシウムとストロンチウムが強い吸収線を作り、それらが放出物質の物理条件を制限するのに使えることがわかった。さらに赤外線域では、ランタノイド元素であるランタンやセリウムが吸収線を作ることが明らかになった。これらの結果をGW170817の観測スペクトルと比較し、吸収線を使った元素量の制限などについて議論する。

        Speaker: Nanae Domoto (Tohoku University)
      • 9
        銀河化学進化から迫る中性子捕獲元素の起源
        Speaker: Yuta Tarumi
  • Friday, February 10
    • Nucleosynthesis via the neutron capture 1
      Convener: Prof. Takuji Tsujimoto (NAOJ)
      • 10
        中性子捕獲が鍵となる宇宙の元素進化
        Speaker: Nobuya Nishimura (RIKEN)
      • 11
        中性子捕獲断面積と核データ
        Speaker: Nobuyuki Iwamoto (JAEA)
      • 12
        中性子ビームを用いた中性子捕獲断面積の測定
        Speaker: Tatsuya Katabuchi (Tokyo Institute of Technology)
    • 11:30 AM
      Lunch Break
    • Nucleosynthesis via the neutron capture 2
      Convener: Dr Nobuyuki Iwamoto (JAEA)
      • 13
        太陽近傍データで迫るr過程元素の起源と進化
        Speaker: Takuji Tsujimoto (NAOJ)
      • 14
        New astrophysical site for r-, i- and s-processes in black-hole forming supernova

        Taka Kajino(1-3) and Zhenyu He(1,3)
        1 Beihang University, 2 National Astronomical Observatory of Japan, 3 University of Tokyo

        The slow and intermediate neutron-capture processes, s- and i-processes, are believed to occur only in asymptotic giant branch stars to provide half of heavy atomic nuclei 90 ≤ A in the Milky Way. We found, for the first time, that the collapsar which is an explosion of single massive star collapsing to a black hole is an astrophysical site for s- and i-processes [1] as well as rapid neutron capture process, r-process [2]. We show significant roles of several neutron-capture reactions on unstable nuclei near the stability line for the i-process as well as those on extremely neutron-rich nuclei for the r-process. We propose that the pronounced odd-even effect in the mass abundance pattern near rare earth elements in metal-deficient halo stars could be a piece of observational evidence [1,3].

        [1] Z. He, M. Kusakabe, T. Kajino, S.-G. Zhou, H. Koura, & S. Chiba, submitted (2022).
        [2] Y. Yamazaki, Z. He, T. Kajino, G. J. Mathews, M. A. Famiano, X.-D. Tang, J.-R. Shi, ApJ. 933 (2022), 112.
        [3] Z. He, M. Kusakabe, T. Kajino, S.-G. Zhou, H. Koura, & S. Chiba, in preparation (2022).

        Speaker: Prof. Taka Kajino (Beihang University / NAOJ / University of Tokyo)
      • 15
        12C(α,γ)16O反応率不定性が対不安定型超新星の元素合成に与える影響

        140太陽質量以上の大質量星で起こると予言されている対不安定型超新星(Pair-instability supernova:PISN)は爆発後中心にコンパクト天体を残さない。一部の原子核反応の反応率は恒星の進化や構造に影響することが知られているが、これはPISNも同様であり、近年は特にPISNに伴うブラックホール不存在質量領域との関係で$^{12}\rm{C}(\alpha,\gamma)^{16}\mathrm{O}$反応率不定性による影響が関心を集めている。本研究では$~{12}\mathrm{C}(\alpha,\gamma)^{16}\mathrm{O}$不定性がPISNでの元素合成や爆発エネルギーに与える影響について検討した。この結果、同じ質量の親星でも$~{12}\mathrm{C}(\alpha,\gamma)^{16}\mathrm{O}$反応率が高い環境のほうが超新星の明るさを決める$^{56}\mathrm{Ni}$の生成量は多く、獲得する爆発エネルギーは大きくなることが明らかになった。また、$~{12}\mathrm{C}(\alpha,\gamma)^{16}\mathrm{O}$反応率が低い環境のほうが重い親星でもPISNを起こすことがわかった。重い親星でPISNを起こすためには多くの爆発エネルギーが必要であるため、低反応率環境の方が反応率系統ごとに生成しうる最大$^{56}\mathrm{Ni}$量は多く、また最大爆発エネルギーも大きくなることが見い出された。

        Speaker: Hiroki Kawashimo (The University of Tokyo, Komaba)
    • 2:20 PM
      Coffee Break
    • Session 6: RI beam and heavy elements
      Convener: Dr Futoshi Minato (JAEA)
      • 16
        中性子捕獲反応と元素合成:鍵を握る原子核データの収集と研究戦略
        Speaker: Shunji Nishimura (RIKEN)
      • 17
        KISSでの核分光実験と元素合成
        Speaker: Yoshikazu Hirayama (KEK)
      • 18
        原子核殻模型計算による統計的性質
        Speaker: Takanori Shimizu
      • 19
        超重元素領域における中性子過剰核の生成確率の理論的評価

        重元素・超重元素領域における中性子過剰核に関する研究は、新元素合成、
        rプロセス、多核子移行反応などの研究分野においても重要度が増している。さらに超重元素領域に存在すると予測される「安定な島」への到達においても中性子過剰核の利用は不可欠であり、中性子過剰核の生成確率の評価が必要である。現在、重イオン融合反応等で形成された複合核が、蒸発残留核として生き残る確率の評価は、標準的に「統計模型」が使われている。非常に微小な確率を扱う場合、また計算時間の関係から「統計模型」の利用は最適である。
        しかしながら、超重元素領域の中性子過剰核において、「統計模型コード」の計算で異常値の出現がみられた。計算で使用するP. Mollerの質量テーブル[1]では、これらの領域の基底状態の殻補正エネルギーがゼロに近い、あるいはプラスである場合が存在する。統計模型では、分裂障壁が有限の高さを持っていることや鞍部点が定義できることなどが、理論構築の基礎にあり、分裂障壁が存在しない原子核には適用できない可能性がある。本研究では、これらの解析をもとに議論を行い、問題の解決策として動力学模型の導入や質量テーブルの変更などについて議論を行う。
        [1] P. Moller, J.R. Nix, W.D. Myers, W.J. Swiatecki, Atomic Data and Nuclear Data Tables 59 185-381 (1995)

        Speaker: Yoshihiro Aritomo (Kindai university)
    • Discussion
      Convener: Nobuya Nishimura (RIKEN)
      • 20
        Future Collaboration in Nuclear Astrophysics
        Speaker: Nobu Imai (CNS, The University of Tokyo)