Speaker
Hiroki Kawashimo
(The University of Tokyo, Komaba)
Description
140太陽質量以上の大質量星で起こると予言されている対不安定型超新星(Pair-instability supernova:PISN)は爆発後中心にコンパクト天体を残さない。一部の原子核反応の反応率は恒星の進化や構造に影響することが知られているが、これはPISNも同様であり、近年は特にPISNに伴うブラックホール不存在質量領域との関係で$^{12}\rm{C}(\alpha,\gamma)^{16}\mathrm{O}$反応率不定性による影響が関心を集めている。本研究では$~{12}\mathrm{C}(\alpha,\gamma)^{16}\mathrm{O}$不定性がPISNでの元素合成や爆発エネルギーに与える影響について検討した。この結果、同じ質量の親星でも$~{12}\mathrm{C}(\alpha,\gamma)^{16}\mathrm{O}$反応率が高い環境のほうが超新星の明るさを決める$^{56}\mathrm{Ni}$の生成量は多く、獲得する爆発エネルギーは大きくなることが明らかになった。また、$~{12}\mathrm{C}(\alpha,\gamma)^{16}\mathrm{O}$反応率が低い環境のほうが重い親星でもPISNを起こすことがわかった。重い親星でPISNを起こすためには多くの爆発エネルギーが必要であるため、低反応率環境の方が反応率系統ごとに生成しうる最大$^{56}\mathrm{Ni}$量は多く、また最大爆発エネルギーも大きくなることが見い出された。
Primary author
Hiroki Kawashimo
(The University of Tokyo, Komaba)
Co-authors
Ryo Sawada
(The University of Tokyo, Komaba)
Yudai Suwa
(The University of Tokyo, Komaba / Yukawa Institute for Theoretical Physics, Kyoto University)
Takashi J. Moriya
(National Astronomical Observatory of Japan)
Ataru Tanikawa
(The University of Tokyo, Komaba)
Nozomu Tominaga
(National Astronomical Observatory of Japan)