9–10 Feb 2023
Asia/Tokyo timezone

超重元素領域における中性子過剰核の生成確率の理論的評価

10 Feb 2023, 16:10
25m

Speaker

Yoshihiro Aritomo (Kindai university)

Description

重元素・超重元素領域における中性子過剰核に関する研究は、新元素合成、
rプロセス、多核子移行反応などの研究分野においても重要度が増している。さらに超重元素領域に存在すると予測される「安定な島」への到達においても中性子過剰核の利用は不可欠であり、中性子過剰核の生成確率の評価が必要である。現在、重イオン融合反応等で形成された複合核が、蒸発残留核として生き残る確率の評価は、標準的に「統計模型」が使われている。非常に微小な確率を扱う場合、また計算時間の関係から「統計模型」の利用は最適である。
しかしながら、超重元素領域の中性子過剰核において、「統計模型コード」の計算で異常値の出現がみられた。計算で使用するP. Mollerの質量テーブル[1]では、これらの領域の基底状態の殻補正エネルギーがゼロに近い、あるいはプラスである場合が存在する。統計模型では、分裂障壁が有限の高さを持っていることや鞍部点が定義できることなどが、理論構築の基礎にあり、分裂障壁が存在しない原子核には適用できない可能性がある。本研究では、これらの解析をもとに議論を行い、問題の解決策として動力学模型の導入や質量テーブルの変更などについて議論を行う。
[1] P. Moller, J.R. Nix, W.D. Myers, W.J. Swiatecki, Atomic Data and Nuclear Data Tables 59 185-381 (1995)

Primary author

Yoshihiro Aritomo (Kindai university)

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